変わらない信念、つくり変える未来。
── 地域を支えて100年。小野組が踏み出したDXの一歩。
株式会社小野組 × KENZO 建設FDE
新潟県に本社を構える株式会社小野組さまは、創業から138年の歴史を持つ総合建設会社。公共、民間問わず土木・建築、一般住宅から、特定の顧客グループに向けた事業まで幅広く手がけ、4月末時点で従業員数は187名。地域に根ざしながら、確かな技術と信頼で社会基盤を支え続けてきた。
そんな小野組さまでは2026年、株式会社KENZOのFDE(Forward Deployed Engineer)=伴走型DX支援サービスの導入を決定。小野社長・八幡専務をはじめとする経営層が主導しながら、管理部門マネジメントシステムグループでDX推進を担当される伊藤さまが現場との橋渡し役を担っている。
今回は、DX推進が走り出して間もないタイミングで、伊藤さまに「なぜDXを推進するのか」「KENZOのFDEを選んだ理由」「これからの建設業界に伝えたいこと」をうかがった。
小野組さまと、DX推進の体制について
まず、小野組さまの事業内容と従業員規模について教えてください。
伊藤さま
建設業です。大きいところでは土木事業、それから公共建築物、あとは一般住宅ですとか、特定の顧客グループに対しての、もろもろの事業を行っています。従業員数は、4月末現在で187名です。
伊藤さまは情報システム部門のご担当でもあり、DX推進もご担当されていますが、そのバランスはどのように取られていますか。
伊藤さま
私自身は、入社の段階ですでに「基本的にはIT、コンピューター周りをやってくださいね」ということで入っているので、あまり「他の業務との両立」といったことは、実感としてはない気がします。「これが情シス、これがDX」という分け方ではなく、自然な延長線上で進めている感覚です。
KENZOの「FDE」を選んだ理由
KENZOのFDE支援を知ったきっかけや、ご依頼に至った背景を教えてください。
伊藤さま
弊社が参画している建設業団体の集まりで、弊社社長の小野や、専務の八幡が、御社の青木社長と知り合ったのがきっかけと聞いています。経営層同士のつながりからスタートして、そこからご縁が広がっていきました。
DX推進を検討された当初、どのような課題感をお持ちでしたか。
伊藤さま
当初というか、現在進行形で、いまも続いているものだという認識なんですけれど、やはり紙書類が非常に多いという部分。それから業種的、業界的に、手続きが多いということが挙げられると思います。
承認であったり、書類を次の方へ転送する流れ──いわゆるワークフローが混雑する、時間がかかってタイムラグが生じる、という問題があり、まずはそこをなんとかしなければいけないのではないか、というのがひとつ。
それから、慢性的なものではあると思うんですが、人手不足。これはどうしても付いて回るので、少しでも手持ちのリソース、従業員の使える能力を有効活用できないか。人間がどうしてもしなきゃいけないこと以外は、なるべくITの力を使って進めていけたらいいのではないか、というのが大きいと感じます。
DX推進の現場で見えてきたこと
DX推進にあたり、社内で苦労されたことや調整の難しさはありましたか。
伊藤さま
導入に関しての苦労、という意味では、弊社は経営層のほうから「これをやろうじゃないか」という話で動きましたので、あまり苦労はありませんでした。非常にありがたいなと思います。
ただ、私自身も入社間もない部分もありますし、建設業ではない業界からの転身で、勝手がわからないまま進んでいるというのが実情で、「何をお願いしたらいいんだろう」という、手探り状態な悩みはあります。
社員の方々のDX化に対する意識については、いかがですか。
伊藤さま
そこは大きいですね。実際に現場で動いている人たち、あるいはバックオフィスの人たちも含めて、「なぜこういうことが必要なのか」を理解してもらう、実感してもらうというのがおそらく一番難しいんだろうなという気がします。
伴走支援の手応え
FDEを導入されて、いま伊藤さまが感じている効果や、伴走支援で助かっている部分があれば教えてください。
伊藤さま
数字で現れる部分に関しては、これから、という気がしますね。もう少し成果物が出てきて──それもKENZOさんが出してくれるものというよりは、我々のほうも協力した上で出来上がってくるものが現れてからなんじゃないのかな、と。
ただ、「自分がこれをやりたいな、でもここめんどくさいな」というのを、頼める人がいるというのは本当にありがたいです。
具体的には、既存様式の精査や、細かい帳票の手直しですね。古い様式でいかにも「昔からあります、印刷して使います、データとしては使いにくいです」というようなものを修正していただく。一からやると非常に大変ですし、他の業務をやりながらでは特に大変なんですけど、それをお願いできる。しかもKENZOさんのFDEだと、自社の社員に近い形で会社にコミットしてくれているので、伝わるのも早いですし、「こんなふうにしてほしい」というのもうまく伝わる部分だと感じます。
「次の100年」へ ── 建設業界へのメッセージ
創業100年を超える小野組さまにとって、「次の100年」に向けて、DXは何をもたらすとお考えですか。
伊藤さま
「続けられる体力」を維持できるんじゃないかと考えています。
人手不足は、もうどうしてもやってくる将来として、間違いなくあります。だけれども、我々の業種というのは決してなくなることはない。誰かがやらなければいけない。人間がいる限り、必要とされる仕事です。
その中で、小野組という会社が地域への貢献であったり、社会に対して何ができるかというのをずっと考えながら積み重ねてきたと思うので、それを続けるための基盤を維持できるんじゃないか。DXによって、今までよりも1業務あたりの人手を少なくしたとしても、同じクオリティを、あるいはそれ以上のクオリティを作り出すことができるのではないだろうか、と考えています。
DXによって、今まで積み重ねてきたものを維持できる、続けていける。これは「現状維持」ということではなくて、「継続」という意味合いです。形は変わるかもしれません。やることは──道路を作ったり、建物を建てたり、ということは変わらなくても、そのやり方は少しずつ変わる。それでも今まで通り、社会や地域、人々に貢献し続けることができるんじゃないか、と思います。
同じ建設業界の経営者やDX担当の方々へ、お伝えしたいメッセージはありますか。
伊藤さま
どちらかといえば、私のほうが教えを請いたいというのが正直なところなのですが──あえて言うのであれば、「標準化」よりももっと手前の段階が大事だと、考えています。
建設業は、部分的には非常に保守的な業界です。職人気質のベテランの方も多いですし、一方ではICT建機など、非常に進んだ高度なことをやっている部分もあるけど、極端にITに疎い方もたくさんいる、というのが現実です。パソコンは使えるんだけれども、どういう理屈でそうなっているか?を全員が分かっているかと言えば、そうではない。
例えば、不具合があってパソコンの設定を正しい状態に戻す、新しいプリンターを設定する──そういったことを、IT担当が全部やってあげるのではなく、「こういうふうにすればできますよ、こういう仕組みなんですよ」とわかりやすく伝えて、次に同じことが起こった時にその人が自分でできるようにする。それが、実は遠回りですけど一番いいんじゃないのかなと感じます。
DXというと「任せとけばやってくれるんでしょう」「わかんないから全部やっといてよ」となりかねないのですが、そうしてしまうと溝が深まるばかりですし、IT・DX担当だけが大変になる。一般のユーザーは自分が何をやっているかわからないから「全部任せちゃえ」になってしまって、ITやデジタルの理解が深まらない。
でも、日々の業務の中で使うものなので、ただ「ITリテラシーが高くないと生き残れませんよ」と上から押し付けるのではなく、「成功体験」みたいなものがあれば、覚えると思うんですよ。メールアドレスの設定ひとつでも、「あ、こうすればいいんだ」「ここのことだったのか」と。
そういった積み重ねで、ちょっとずつ、IT・DXも特別なモノではなく、他の仕事と同じようにステップアップしていける。「あ、これ面白いね」と思ってもらえるような進め方こそが、実は大事なんじゃないのかな、と。
最後に、KENZOへ今後期待することをお聞かせください。
伊藤さま
はい。──今まで通り、突き進んでいただければ。とても良い場所に辿り着くんじゃないかなと感じますので、頑張ってほしいと思います。
編集後記
「DXは目的ではなく、続けるための手段」──伊藤さまの言葉からは、一貫してそうしたメッセージが伝わってきました。
ツールの導入や標準化を先に走らせるのではなく、まず一人ひとりの「成功体験」を積み重ねること。100年企業が次の100年を見据えるとき、最も大切な視点なのかもしれません。
KENZOは、小野組さまの「続けられる体力」を支えるパートナーとして、これからも伴走を続けてまいります。
株式会社小野組
- 所在地
- 新潟県胎内市
- 創業
- 1888年(明治21年)
- 事業内容
- 土木事業/公共建築/一般住宅/特定顧客グループ向け事業
- 従業員数
- 187名(2026年4月末時点)
KENZO 建設FDE(Forward Deployed Engineer)
単発のシステム導入ではなく、課題発見〜計画〜実装〜定着まで、「自社の社員に近い距離感」で伴走するDX推進パートナーシップ。プロダクト提供(建設PAD/OUKAGAI 等)とコンサルティングを掛け合わせた、建設業に特化したハイブリッド型支援です。
建設FDEのサービス詳細はこちら